形成外科について
子どもの形成外科について
先天性顔面神経麻痺
(先天性下口唇麻痺)について
ホクロ・イボについて
粉瘤(アテローム)について
アザについて
陥入爪(まきづめ)について
眼瞼下垂について
やけどについて
 






 
子供の形成外科について(宇田川晃一)
 形成外科医としての40年のキャリアの中でも、子供の手術と長くかかわってきましたので、子供の形成外科診療についてご説明します。

 転んだりぶつかったりといった顔面外傷や手足の切り傷、やけどなどの治療の他に、形成外科の重要な分野として、先天性の形態異常を修正する治療があります。

 唇裂・口蓋裂、先天性下口唇麻痺(口角下制筋欠損、顔面神経下顎縁枝麻痺)、耳の先天異常、手足の指の先天異常、あざ・ホクロなどの腫瘍を手術によって治療します。

 口唇・口蓋裂は、生まれてくる子供の400~500人に1人。 先天性下口唇麻痺は、生まれてくる子供の160人に1人と言われていますが、この内には自然に治る子供も含まれています。 口唇と指の病気は、生まれつきの病気の中では多くみられる病気です。

 治療は、それぞれ適した時期に手術をして、出来るだけ正常な状態に近づけていきますが、その程度によっては成長に合わせて数回の手術を必要とする場合もありますので、経過を診ながら治療をしていきます。


先天性顔面神経麻痺(先天性下口唇麻痺)について

 赤ちゃんが泣いた時、下唇が対称的な形で動かず、口が曲がって開くように見える先天性形態異常の一種で、症状は生まれてすぐに気付かれます。
 病名は、口角下制筋形成不全、顔面神経下顎縁枝麻痺、啼泣(ていきゅう)時非対称顔貌などとも呼ばれ、下口唇片側の(唇や口角を下げる)下制筋だけではなく(口を閉じる)口輪筋がうまく動かないため、口を開けた時のみならず閉じた時にも変形します。原因が筋肉なのか神経なのかは、未だによくわかっていません。
 新生児のおよそ160人に1人の確率で発生すると言われていますが、分娩時に生じたと考えられる麻痺以外、自然に治ることはありません。成長とともに顔の表情が豊かになるにつれ、開口時の変形が相対的に目立ちにくくなることもありますが、口を閉じた時の変形はほぼ変わりません。
 当院では、宇田川医師考案の筋膜移植による再建手術(宇田川法)を行っており、この方法は低侵襲(傷が小さい)で、現状では元も自然に近い下口唇の動きを再現することができます。赤ちゃんを診察後、2歳ごろから手術をします。
 大人も気になる方はご相談ください。




 ホクロやイボは、体表面のいろいろな所に、いろいろな大きさのものがあります。ホクロの手術は、大きさとどこにあるかによって、手術方法が決まります。診察の上ご説明します。

 基本的な手術方法は、局所麻酔を注射して木の葉型に切除した後、ていねいに縫合します。時間的には15~30分くらいです。通常、翌日の診察で問題なければ、翌日からシャワーの許可が出ます。抜糸は1~2週間後になります。ただし、2ミリ以下の小さいものでは、丸くくりぬく手術か電気メスで焼く手術を行うこともあります。
 手術後の過ごし方は、手術時に詳しくご説明します。ご心配なことがありましたらスタッフにお尋ねください。
 切除したできもの(腫瘍)は、悪性(がん)ではないか確認のために組織検査を行います。

 手術の傷痕は残りますが、その痕をなるべく目立たないようにするのが形成外科の仕事です。
 抜糸直後の傷は赤みがあり硬いですが、数ヶ月経つと白く柔らかくなります。
 男性はヒゲ剃りの邪魔になったり、女性はメイクの時に気になるようであれば手術をおすすめします。
 高齢者のホクロやイボは悪性化することも多いので、早めに除去をしましょう。





 皮膚の下にできた袋(嚢腫)に垢や皮脂が溜まってできる腫瘍(できもの)です。溜まった中身を出しても、袋の内側は皮膚の表面と同じ構造をしているため、また垢や皮脂などが溜まり大きくなります。
 炎症を起こしていなければ手術で袋ごと取り除けますが、化膿して膿が溜まっている場合は、まず切開して膿を出し、炎症が治まってから摘出手術を行います。手術時間は約20~30分です。
 通常、翌日の診察で問題なければ、翌日からシャワーの許可が出ます。抜糸は1~2週間後になります。




 アザの治療方法は、小さいものなら切り取ってきれいに縫い縮めることができます。縫い寄せられないほど黒く大きいものは、皮膚移植が必要になる場合があります。



陥入爪(巻き爪)について

 手足の爪が肉に食い込んで痛みがあったり、赤く腫れている状態を「陥入爪」といいます。
 足の親指が痛む場合が多く、治療が必要です。毎日靴を履き、活発に動く小学生、つま先に力が加わるスポーツをしている学生、いつも窮屈な靴を履いている女性、爪が硬くなる高齢者の方に多くみられます。
 形成外科での治療は、生えてくる爪の幅を手術で狭くする方法があります。手術後に痛みや靴を履けない期間がありますが、その時期を過ぎると快適です。都合の良い時に手術をしましょう。未成年の方は保護者と一緒に診察を受けましょう。


眼瞼下垂(がんけんかすい)について

 眼瞼下垂の多くは、上まぶたを挙げる筋力が弱くて目が半分くらいしか開かないので、上まぶたの筋肉を短縮してまぶたが挙がるように手術します。
 加齢とともにまぶたが垂れ下がってくる老人性眼瞼下垂の場合は、手術でたるんだ上まぶたの皮膚を切り取り、黒目が多く見えるようにして、老けた感じを改善します。
 眼瞼下垂が肩こりや頭痛の原因になる場合もありますが、上まぶたの手術をしたら肩こりや頭痛が無くなるというお約束はできません。あくまでも「見た目」の改善が第一目的です。
 上まぶたの変化は顔全体の印象に大きく影響しますので、専門医に詳しく相談してから手術を受けましょう。


やけどについて

 やけど(火傷)は、深さで治る期間が大まかに決まります。
 1度という水疱のない赤くなるだけのやけどなら1週間くらいで治り、傷痕も残りません。
 水疱ができる、2度の浅いやけどは、治るのに2週間ほどかかります。この場合、傷痕は残りますが、1年ほどで目立たなくなります。
 痛みを感じる神経は皮膚の浅い部分、つまり表皮に近いところに多く存在しているため、このような1度と2度の浅いやけどでは痛みを強く感じます。それ以上深いやけどになると、あまり痛みを感じません。
 2度の深いものと3度のやけどは、目立つ傷痕が残ります。また、治るのに1ヶ月以上かかります。
 当院ではやけどの治療だけでなく、やけど痕の治療も行っています。治った痕が気になるという方も一度ご相談ください。


そのほか、ご心配なことがありましたらご相談ください。

 


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